第4回 / 全5回
ここまで、自分を知ること、順番のこと、準備のことをお話ししてきました。今日は少し角度を変えて、きちんと食べているつもりなのに足りなくなってしまう、というお話をします。約3分。
食事にはずいぶん気をつけている。野菜も摂っているし、極端なこともしていない。それなのに、疲れやすさや、体の重さが変わらない。
そんなふうに感じている方に、よくお会いします。今日はその「どうして」の部分を、3つに分けてお話ししますね。
昔にくらべて、日常で動く量はずいぶん減りました。動かなければ、おなかも空きません。だから、食べられる量も自然と減っていきます。
ところが、体を動かすために必要な材料のほうは、それほど減っていないんです。食事の中身に気をつけていても、そもそもの量が少なければ、入ってくる分も少なくなります。
気を張る時間が長い日、体をよく動かした日は、体の中でも多くのものが使われます。女性の場合は月経がありますし、育ちざかりのお子さんは、大人よりずっと多くの材料を必要とします。
入ってくる量が同じでも、出ていく量が増えれば、残りは少なくなりますよね。とてもあたりまえの話なのですが、見落とされやすいところです。
ここがいちばん大事なところです。食べた量と、体に届いた量は、同じではありません。
口から入ったものは、消化されて、吸収されて、はじめて使えるようになります。その途中がうまくいっていなければ、どんなに良いものを食べても、体の中までは届きません。
第1回でお通じを見てくださいとお話ししたのは、このためなんです。食べたものが本当に取り込めているかどうか。その手がかりが、そこに出ます。
だから、足りない気がするから足してみる、というやり方が、うまくいかないことがあります。入れる量を増やしても、通り道のほうに理由があれば、届く量は変わらないからです。
サプリメントを試してみたけれど、よく分からなかった。そういうお話をよくうかがうのですが、それはご本人のせいではなくて、順番の問題であることが多いです。
同じ「疲れやすい」でも、その理由は人によってちがいます。食べる量が足りていない方もいれば、使う量が多い方もいる。取り込むところでつまずいている方もいます。
そして、そのどれなのかは、外からは見えません。毎日その体で暮らしているご本人にも、なかなか分からないところなんです。
それで調べてみると、今度は情報が多すぎて困ってしまいます。どれも、それらしく書いてあります。
でも、書いてあることが正しいかどうかと、それが自分に当てはまるかどうかは、まったく別の話です。自分のことを知らないまま答えだけを集めると、その答えが自分に合っているのか、確かめようがありません。がんばって調べた方ほど、ここで迷ってしまうように思います。
ひとつだけ、お願いがあります。つらさが長く続いていたり、日常生活に差しつかえるようでしたら、まずは医療機関を受診してください。
食事や栄養でできることはたくさんありますが、それは診断の代わりにはなりません。受診したうえで、そこから体の土台をつくっていく。その順番でいきましょう。
そこで僕がおすすめしているのが、今の状態を一度、見える形にしておくことです。
いつものお食事の内容と、体の様子をうかがう問診。血液のデータをお持ちであれば、それも参考にします。それらを合わせて眺めると、その方の傾向が見えてきます。そのうえで、何から手をつけるといいのかを、順番をつけてお渡ししています。これがR-LABOの栄養レポートです。
ここでお話ししているのは、栄養と生活習慣についての一般的な内容です。病気の診断・治療にあたるものではありません。つらい症状が続くときは、医療機関にご相談ください。